中国北西部において針葉樹を加害するハマキガの2新種(鱗翅目)
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概要
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最近,中国北西部において,針葉樹に重大な被害を与える2種類のハマキガが発見された.検討の結果,これら2種は新種であることが判明した. Epinotia tianshanensis Liu & Nasu (新種)前翅の長さ4-5mm.雄の前翅に前縁褶はない.前翅の地色は暗褐色,基部,中央部と先端部に灰黄色の帯が横切る.本種は外部表徴ではEpinotia rubiginosana (Herrich-Schaffer),マツノクロマダラヒメハマキに類似するが,前翅はより短いこと, cucullusはより小さいこと, antrumはコップ状であることで区別できる.分布:中国(新彊ウイグル自治区).寄生植物:Picea schrenkiana Fisch. et Mey.ゴダイサントウヒ(マツ科). Zeiraphera gansuensis Liu & Nasu (新種)前翅の長さ6-7mm.雄の前翅に前縁褶がある.前翅の地色は黄褐色,基部と中央部に灰色の帯が横切る.肛上紋は黄褐色で側方は鉛色線で縁どられており,明瞭.本種は外部表徴ではZeiraphera rufimitrana (Herrich-Schaffer),トドマツアミメヒメハァキに類似するが,前縁褶を持つこと, uncusは2叉すること, papillae analesは大きいこと,雌の第8-9腹節は短いこと, sterigmaは何本かの隆起を持つことで区別できる.分布:中国(甘粛省).寄主植物:Pinus tabulaeformis Carr.マンシュウアカマツ(マツ科).
- 日本鱗翅学会の論文
- 1993-08-30
著者
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劉 友樵
Institute of Zoology, Academia Sinica
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那須 義次
Osaka Plant Protection Office
-
〓 友樵
Zoological Institute Academia Sinica
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