卸売手数料の自由化と青果物卸売業者の対応および今後の課題
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は,卸売手数料自由化に対する中央卸売市場青果物卸売業者の対応および今後の課題を明らかにすることである。卸売業者の経営状況は年々厳しくなってきている。卸売業者の経営改善のための対応策として,次の3点を挙げた。(1)卸売手数料の引き上げ,(2)卸売手数料は現状のままで出荷奨励金を廃止,(3)卸売数料を引き下げ,出荷奨励金を廃止する。どの対策をとるかは,各卸売業者に委ねられる。本来的に卸売手数料の自由化とは各業者の裁量に任されるものである。それぞれの地域の事情や卸売業者の経営状況に適した対策を採用すべきである。いずれの対策も産地側の協力が欠かせないが,卸売業者の厳しい経営状況を産地側に理解してもらい,改革を進めていかければならない。<BR>卸売業者に求められるのは,川上(産地・出荷者)に対しては,強い交渉力を発揮することである。また,川下(小売店)に対しては,卸売業者自身および仲卸業者が不利益を被らないような対抗勢力の担い手になることである。
- 2010-09-17
著者
関連論文
- 東京都中央卸売市場仲卸業者の財務状況と経営課題
- 卸売手数料の自由化と青果物卸売業者の対応および今後の課題
- 地方卸売市場卸売会社の経営破綻と再建の課題 : 北見市公設地方卸売市場の卸売会社を対象として
- 営農集団における野菜生産と出荷体制の評価 : オホーツク網走農協を対象として
- 輸入野菜の増加が国内卸売市場に与える影響と国内産地との競争関係--東京都中央卸売市場を対象として (〔東京農業大学農業経済〕学会創設50周年記念号) -- (第2部 50周年記念論文)
- 卸売市場制度改正と卸売業者の経営問題
- 野菜産地の出荷量調整とその成果 : ホクレンの出荷量調整を事例として