地域的不均等論の再検討と地域問題へのアプローチ : 東北地方を対象事例として(<特集>経済の回復過程における地域の再生と不均等)
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概要
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本研究は,地域的不均等論の再検討を通じて,地域再生や地域問題への対応の方向性を考察することを課題としている.地域的不均等を経済活動の相違としてのみ捉えるのではなく,地域間支配従属関係として描かれる構造として理解するのであるならば,それはこれまで,都市・経済地理学の領域で検討が重ねられてきた都市システム論において示されている構造の中に見出すことができる.すなわち,特定地域に集中する意思決定機能が各々の地域の経済活動を規定する構図であり,具体的には地域の多様性を利用した支所や工場や店舗などの立地展開として現れる.個々の地域経済はこのような意思決定の影響をうけるが,それが生活の困難や経済の停滞などを引き起こすこともある.地域の社会や経済活動を持続させるのであるならば,これらの地域問題への対応が必要になる.その対応は,地域の多様性や諸状況を踏まえる必要があるし,考慮すべき地域の構成要素の中には住民の意向も含まれる.今日,各地域でそのすべての経済活動等を決定することは不可能であるが,地域の多様性に依拠して展開する経済活動に,地域の意向を反映させることは重要であろう.
- 経済地理学会の論文
- 2007-12-30
著者
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