授業イメージの変容に見る熟練教師の成長 : 自律的な学習を目指した日本語授業に取り組んだ大学教師の事例研究
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概要
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本研究では自律的な学習を目指した授業を初めて担当した教師A(教師歴21年)の2学期終了時(1年後)と4学期終了時(2年後)の授業イメージをPAC(Personal Attitude Construct:個人別態度構造)分析によって分析し,1学期終了時(4ヵ月後)の結果と併せて比較検討した.分析の結果,教師Aは当初は教師主導型の教育観を持ち,教師の役割が見出せない状態にあったが,4学期終了時には学習者の自律性を尊重することへの理解を深め,教師の役割を見出し,学習者の生活や生き方にまで視野を広げたことが判明した.新しい教育方法による授業は,教師歴が長くても疑問と不安を感じさせ,すぐにうまくいくとは限らないが,それまで当然視していたことを見直して様々なことに気づくと授業観・学習者観が変わり,うまくいくようになることが示された.この変化には教師Aの置かれた状況も影響していると考えられる.
- 2010-06-30
著者
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