原価企画におけるサプライヤー関係が原価低減に及ぼす効果に関する実証的研究
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概要
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本稿は,部品サプライヤーとの関係において原価企画システムはどのように設計すべきかという目的から,質問票調査に基づく実証研究を行うものである.そのため本稿では,カテゴリー変数である質問事項のデータに対して対数線形モデルを適用し,当てはまりのよいモデルを選択したうえで,仮説の検証を行った.その検証の結果として,次のことがわかった.まず製品メーカーが製品開発にあたって,非機能部品を生産する貸与図部品メーカーであれ,機能部品を作る承認図部品メーカーであれ,製品メーカーと部品メーカーとの間で利益・リスクを分かち合う程度が高い場合には,彼らは相互に情報をよく共有している.また,製品メーカーと貸与図部品メーカーとの間で利益リスク分担の程度が高くなる契約を結んでいる場合,製品の目標原価の達成度も高くなる.さらに貸与図部品メーカーに関する情報保有度が高いと,製品の目標原価達成度が高くなることが判明した.しかし,このような事実は承認図部品メーカーについて発見されていない.また,貸与図部品メーカーでは,利益・リスクの分担程度が高から中へ下がれば,目標原価達成度への効果はマイナスになる.しかし,承認図部品メーカーでは,利益・リスクの分担程度がそれほど高くなくても中程度以上であるような契約を結んでいれば,目標原価達成度への効果はなおプラスになる.
- 日本管理会計学会の論文
- 2000-03-31
著者
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