リストラ時代の物流コストの管理
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概要
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バブル経済の崩壊に伴い,産業界はいまダウンサイジングによるリストラが強く求められ,適正規模までの事業規模の縮小による減収増益を図る必要に迫られている.そのために,"原価削減の宝庫"と称される物流に取組み,大幅なコストダウンを断行することが肝要である.財務諸表上の支払物流費は,メーカーでは売上高の2-3%にすぎないが,総物流コストは売上高の9%にも達しているので,売上高純利益率2%の会社では物流コストを10%削減すると,年商を45%増加させたのと同じ利益効果があげられる.このような物流コスト削減の乗数効果を達成するには,物流会計を導入し実践することがその前提となる.その一環として,筆者等は,1992年に通商産業省で『物流コスト算定・活用マニュアル』を制定し,物流商品有料化運動に着手した.このため,イレギュラー物流を要請した原因者には,当マニュアルに基づいて計算した物流コスト増加額を転嫁することによって,価格メカニズムを通じ物流の社会的適正化を実現することが急務となる.なお,本稿は,1993年11月5日に九州産業大学で開催された日本管理会計学会第3回全国大会において行った「記念講演」の内容を草稿したものである.
- 1994-08-29
著者
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