米国における自閉症児への早期高密度行動介入に関する研究動向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
応用行動分析学に基づく自閉症児への介入法は、有効性が認められてはいたものの、米国心理学会臨床心理学部会が示した「十分に確立された介入法」としての基準を満たしていなかった。しかし、それに準じる介入法として注目されていたのがUCLA早期自閉症プロジェクト(UCLA YAP)であった。Lovaas(1987)は、UCLA YAPを4歳未満の自閉症児に週40時間、2〜3年にわたり行ったところ、47%が標準範囲のIQに達したことを報告した。この結果は前例のないものであったことから、多くの研究者に精査され、自閉症からの「回復」という表現の問題や、無作為割付けの有無といった実験手続き上の問題などについて批判を浴びることとなった。そのため追試・再現研究は、可視的に、科学的な厳密さをもって実施されており、こうした批判への反証データも示されるようになっている。しかしながら、この成果については依然として不明な点も多く、「証拠」(evidence)に基づく継続的議論が必要であろう。
- 2009-11-30
著者
関連論文
- 広汎性発達障害児への治療教育の展開(3) : 地域生活支援を中心に(自主シンポジウム58,日本特殊教育学会第47回大会シンポジウム報告)
- 米国における自閉症児への早期高密度行動介入に関する研究動向
- 思春期自閉症者の質問スキルの般化に関する研究 : 環境随伴性操作による家庭場面への応用
- 自閉症児の小遣い帳記入時における指示待ち行動の変容 : 母親の言語援助への介入をとおして
- 本邦特殊教育関係部会文献目録(2002年1月〜2002年12月) 行動問題(1)部会
- 自閉症児・者をもつ家族の地域支援のあり方
- 障害9012 動作法におけるトレーナーの援助行動に関する研究 : マニュアル教授条件における検討
- 動作的アプローチによる自閉性発達障害児のコミュニケーションの援助をめぐって(自主シンポジウム25,日本特殊教育学会第37回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)
- 発達支援の本質を探る : 子ども、保護者、そして地域支援の実践を通じて(自主企画シンポジウム1,現在から未来へ 我が国における認知行動療法の展開)