自閉症児の小遣い帳記入時における指示待ち行動の変容 : 母親の言語援助への介入をとおして
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「指示待ち行動」が顕著にみられる自閉症児1名に対し、買い物行動に連鎖する補助的スキルとして、小遣い帳記入スキルの獲得を試みた。しかし指導場面で獲得したスキルを家庭へ導入すると同時に、小遣い帳記入時の「指示待ち行動」の問題が顕著になった。そこで家庭での小遣い帳記入時における「指示待ち行動」の改善のために、母親の言語援助方法の内容を操作し、加えて時間遅延法を導入した。その結果、小遣い帳記入に多くの言語指示を必要としなくなったため、指導場面でのスキルの獲得のみならず、スキルの使用を家庭において可能にするためには、家族への介入の必要性も同時にあることが示された。さらに今後、「指示待ち行動」が顕著にみられる自閉症児に対して、指示を待たずに行動を生起させるための条件とは何か、また周囲の者たちが指示を出さなくすることを可能にする条件とは何かといった、双方の観点から詳細な検討の必要性があることが示唆された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2003-12-15
著者
関連論文
- 広汎性発達障害児への治療教育の展開(3) : 地域生活支援を中心に(自主シンポジウム58,日本特殊教育学会第47回大会シンポジウム報告)
- 米国における自閉症児への早期高密度行動介入に関する研究動向
- 思春期自閉症者の質問スキルの般化に関する研究 : 環境随伴性操作による家庭場面への応用
- 自閉症児の小遣い帳記入時における指示待ち行動の変容 : 母親の言語援助への介入をとおして
- 本邦特殊教育関係部会文献目録(2002年1月〜2002年12月) 行動問題(1)部会
- 自閉症児・者をもつ家族の地域支援のあり方
- 障害9012 動作法におけるトレーナーの援助行動に関する研究 : マニュアル教授条件における検討
- 動作的アプローチによる自閉性発達障害児のコミュニケーションの援助をめぐって(自主シンポジウム25,日本特殊教育学会第37回大会シンポジウム報告,実践研究特集号)