18トリソミー児の発達に関する研究動向とその課題
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概要
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18トリソミーは、ダウン症候群と22q11.2欠失症候群に次いで頻度が高いとされる常染色体異常症である。しかしながら、18トリソミー児の発達についてはほとんど明らかにされていない。おもな理由としては、18トリソミー児の多くが生後数週間のうちに亡くなること等が挙げられる。18トリソミー児の家族に対しては、しばしば児の生命予後が不良であることが告げられる。一方、わずかではあるものの、生後1歳を超えて生存している事例について、報告がなされている。本稿では、先行研究を概観し、18トリソミー児の発達について検討を行うこととした。その結果、事例報告や横断的な調査研究において、自発的な随意運動や他者とのコミュニケーションが可能な事例についての報告が見いだされた。これらの情報は、保護者の育児意欲や支援者らの養育態度にも大きな影響を及ぼすものと考えられる。今後は教育学の分野からも18トリソミー児の発達について、縦断的な追跡調査や実践的な発達支援といったほぼ未検討の課題を取り上げ、知見を積み重ねていく必要があるものと考えられた。
- 2009-07-30
著者
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