問いと答えの次に来るもの : 初級段階で聞き手の反応をどう指導するか
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
対話を展開させる上で、聞いたことに対する反応を聞き手が言語的に表現することが重要な役割を果たすことは知られている。問い、答えの次の第三の位置に来るこの「聞き手の反応」を日本語学習者はどう習得するのか。Ohta(2001)は、教師が授業中にフィードバックという形で聞き手としての反応を十分に示している初級学習者の場合、進度と程度に個人差はあるが習得がおこると報告している。また、Mori(2002)は、上級学習者が行った座談会タスクで、対話の内容を深く発展させるような「聞き手の反応」は使われなかったと報告している。ここから、「受け取り」の表現は比較的初期に身につけることができるが、「共感・評価」を含むより内容に関わる反応表現は習得に時間がかかることが予想される。最近の初級日本語教科書は、語用のこの側面についての配慮がされるようになってきている。従って、教師は初級段階から明示的に学習者に提示し、意識させ練習させることが必要なのではないか。
- 国際大学の論文
- 2004-00-00
著者
関連論文
- 専門用語と和語動詞からみた経済記事の語彙
- 語彙に焦点をあてた授業 : 非漢字系中級中・後期日本語学習者の場合
- 日本語教育プログラム評価 : 質の保証をめざして(報告)
- 問いと答えの次に来るもの : 初級段階で聞き手の反応をどう指導するか
- 外国語教育におけるタスクをめぐる問題 : 日本語教育の教師の視点から
- 学習負担の低い正規日本語コース実施の報告「みんなの日本語初級I」を使った目標志向のコース設計の試み
- 上級聴解授業の出発点 : 反省にもとづくプランづくり
- 中級日本語学習者に対する書き取りの練習 : 予備的考察