語彙に焦点をあてた授業 : 非漢字系中級中・後期日本語学習者の場合
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概要
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中・上級レベルで学習時間に制約のある学習者の場合には、読解や聴解をしながら語彙の拡大を図るより、まず、ある期間、短いテキストで語彙を集中して学ばせ、それから長文読解や聴解へ進む方が、学習者により明確な目標と達成感を与えられるので効果に結びつくのではないかと考えて試行した(田丸1995)。その際問題になった点の改善を含めて同様の試みを繰り返した。その結果、このレベルでは専門語といってもかなり日常性の高い漢字語彙群と和語動詞群を支援すれば、学習者の自立につなげられること、単独の語ではなく、連語として扱うことが語彙の学習を助けるようであること、読みを増やし出会いの回数を増やすだけでなく、提示された語を使って作文をすることが学習した語彙の維持を助けるようであること、等が見られた。語彙使用の分析、定着度の調査と提示法や練習の関連を調べることが、語彙指導の見直しに必要である。
著者
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