Homeostasis Model Assessment指数を用いたインスリン抵抗性による冠動脈形成術後再狭窄の検討
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概要
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虚血性心疾患の治療において経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)は有用な治療であるが再狭窄が問題である.糖尿病は再狭窄の独立した要因であり,近年インスリン抵抗性が注目されている.今回我々はインスリン抵抗性をHomeostasis Model Assessment 指数(HOMA-R)を用いて評価し,インスリン抵抗性と再狭窄について検討した.2004年8月より2007年12月までにPCIを施行した189例についてHOMA-Rを計測しインスリン抵抗性を認める群(P群:n=124)と認めない群(N群:n=65)にわけ再狭窄について検討した.再狭窄率はP 群で16.9%,N 群で3.1 %と有意差を認めた(p=0.0056).HbA1c 6.5%未満の非糖尿病群においてもP 群13.9%,N 群3.8 %と有意差を認めた(p=0.048).定量的冠動脈造影でも慢性期最小血管径でP 群2.21± 0.91 mmとN 群2.59 mm ±0.57 mm (p=0.031),% stenosisでP 群24.5±26.9%とN群12.0±9.1%( p=0.010),晩期損失径でP群0.815±0.86 mmとN群0.418±0.471 mmと有意差を認めた(p=0.015).HOMA-Rは再狭窄の簡便かつ有用な指標でありインスリン抵抗性を改善させることが再狭窄の減少につながりうる.
- 獨協医科大学の論文
- 2009-07-25
著者
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