C型肝炎ウイルスキャリアの死亡・入院リスク評価 : 修正Markovモデルによる相対リスク推定
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概要
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【背景】C型肝炎ウイルス持続感染者(以下,HCVキャリア)の長期予後の推定は困難である。加えて末期状態の肝硬変・肝癌がハイリスクであることもあり,多くの保険会社ではHCVキャリアの保険引受けに対して必要以上に消極的であると考えられる。本検討の目的はHCV感染後の長期的な予後を科学的に妥当なレベルで推定し,HCVキャリアの公平かつ適切な引受査定の実現に寄与することにある。【方法】病態が複雑なHCVキャリアの相対死亡・入院リスクを年齢別に長期間推定するため,Markovモデルに修正を加えた数理モデルを考案した。モデルによるシミュレーション推定値と疫学調査の結果とを比較することにより,推定結果の妥当性を検証した。【結論】シミュレーション結果と疫学調査結果とはよく適合しており,本モデルによる病期進展の推定は妥当と考えられた。死亡・入院リスクの推定結果より,HCVキャリアであっても病期や年齢を限定することにより死亡保障・医療保障の引受の検討が可能であった。本検討で使用した手法は,他の複雑な病態の疾患のリスク推定に応用可能と思われる。
- 2010-03-17
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