悪性新生物の相対死亡リスク : 対数正規分布モデルによる生存分析
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概要
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悪性新生物の引受査定をより適切なものとすることを目的に,公開されている生存率データから相対死亡リスクを推定する方法を検討した。悪性新生物の死亡リスクは経過年数に応じて低下するが,引受可能なレベルになるまでには長い年月を要するものも少なくない。一方で,入手可能な生存率データの多くは観察期間が比較的短期間なものに限られている。Mortality Methodologyをはじめとする従来のノンパラメトリックな分析法では,観察期間を超えてリスクを推定することはできない。そこで対数正規分布モデルによるパラメトリックな生存分析を行なうことにより,相対死亡リスクの長期にわたる推定を可能とするリスク評価手法を考案した。SEER Programのデータによる検証では,対数正規分布モデルによる生存曲線の推定値は実測値と良く適合していた。相対死亡リスクの減衰パターンは腫瘍の種類によりさまざまであり,契約不応期間推定値と5年生存率との間に明らかな相関は認められなかった。相対死亡リスクに関しては,いわゆる悪性度よりも再発性の方が大きく関与しているものと思われる。本方法は比較的短期間の生存率データから長期間の相対死亡リスク推移を評価することを可能とするもので,悪性新生物の査定基準作成上有用な分析法と考えられる。
- 2008-03-17
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