人間の情報処理に基づいた情報呈示の在り方--多数の方向指示パターンからの全体的な方向情報の読み取り
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概要
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近年の教育現場においては、情報通信技術(ICT:Information & Communication Technology)を用い、授業が展開されている。ICTを用いた教育には、理解の難しい概念などが視覚的にイメージでき、内容が理解しやすくなるため、学習者の意欲を高めることができる。しかし、典型的な大型スクリーンにコンピュータ画面を呈示するようなICTの利用の場合、発話者と情報の呈示位置とが異なるため、発話者がスクリーンの呈示内容について適切に指示する必要がある。そこで、本研究では、情報の位置・方向をどうすれば学習者に正しく伝えることができるのかという観点から、個別には異なる方向を指し示すが、全体的には1つの方向を指し示す多数の方向指示パターンの指示方向をどの程度、正確かつ速く判断できるのかを検討した。また、方向指示パターンの種類の違いが指示方向の判断に及ぼす影響についても検討した。実験の結果、個別の方向指示パターンの方向が全体的な指示方向からばらつくほど、全体的な方向の判断が不正確になり、判断までの反応時間が長くなった。さらに、方向指示パターンが矢印パターンでだる方が、指差しパターンの場合よりも制度が良かった。これらの結果は、情報の存在する方向を指示するといった単純なことであっても、受け手に情報を適切に呈示し、理解させるためには、多数の情報を盛り込んではいけないこと、情報をより効率的に指示するにはそれに適した視覚パターンが存在することを考慮する余地があることを示している。
- 2009-12-20
著者
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