自立活動と教育実践の課題 : 「自立」像とICFの検討を中心に
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概要
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本稿では,新しい「自立活動」の教育観や障害観に影響を与えた新自由主義的「自立」像とICF(国際生活機能分類)の検討を通して,自立活動の実践課題を整理した.自立活動では,「障害に基づく種々の困難」の主体的な改善・克服による個人の自助・自律が目標とされ,要素還元主義的な指導内容が計画されている.学習指導要領では本人の主観的世界を尊重するというICF本来の理念に反して,客観的な実態把握ツールにとどまっている.ICFを活用するためには,子どもの要求を反映した教育目標の設定とそれに即した生活機能の捕捉が鍵となる.自立活動では機能や能力の獲得にかかわる子どもの自己意識への働きかけと,個別の問題を子どもの発達と生活の全体的課題に位置づける教育目標論が求められている.
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