低分子量HEMAホモポリマーとHEMA系グラフト共重合体における血液適合性と水の構造について
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概要
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血液適合性についてはこれまで種々の研究がなされているが,一般化された発現メカニズムは未だ確定されておらず,我々は,材料中の水の構造の関与を提案している.本研究においては,これまで多くの研究者によって血液適合性に優れると報告されている2─ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)をベースとしたグラフト共重合体について,水の構造の観点から考察するため,低分子量PHEMA と(HEMA─g─メチルメタクリレート)及び(HEMA─g─ブチルメタクリレート)共重合体を合成し,血液適合性と水の構造との関係について検討した.示差走査熱量計(DSC)より,PHEMA は分子量の低下に伴い水との相互作用が増大し,またグラフト共重合体においてもPHEMA セグメント長が短くなるに伴って水との相互作用が増大することがわかった.また,特定の組成により,不凍水量がHEMA 含量に対応せずに過剰に存在することを見出し,この過剰量と補体の活性化量との間に相関が認められた.このことは,水の構造が血液適合性発現に関与するという我々の提案を支持している.
- 2008-03-31
著者
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