解離性脳動脈瘤の発生,治癒機転からみた治療の考え方(<特集>脳動脈瘤治療のトピックス)
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概要
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臨床自験例229例(診断時クモ膜下出血115例,診断時未破裂114例),病理標本約60例に基づいて,解離性脳動脈瘤の発生機序,治癒機転について考察し,さらに治療の考え方を述べた.急性解離性脳動脈瘤は,内弾性板の急激な断裂とそれによってできたエントリーから血管腔の血流が中膜内に浸入することで生じる.中膜の断裂の程度と浸入度によって形状が決まる.断裂部は内膜が新生されることによって修復されていく.破裂例における再破裂の頻度は1週間を過ぎると著明に減少し,自験では最遅41日であった.剖検例で偶然発見される脳動脈解離は,内膜で内弾性板と中膜の断裂部が強固に覆われ,完全な修復が行われていた.これらより,発生から2ヵ月程度経過した急性解離性脳動脈瘤性は安定した構造を示し,臨床的にも原則的に治療不要になる場合が多い.
- 2010-02-20
著者
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