明治後期〜昭和初期における中野家の原油採掘業と原油販売
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概要
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本稿では、第一に石油製品供給量について,明治期は総生産量が総輸入量を下回る中で灯油の比重が圧倒的だったが大正期以後揮発油・軽油・重油が中心となり機械油も増加したこと,需要増加に対して国産原油にかかる製品供給が不足したことを背景に大正後期から輸入原油による製品が急増したこと等を確認した。第二に道府県別原油採掘量の推移から,新潟県が明治期には圧倒的で大正期には秋田県と拮抗しつつ全国1位の産額だったこと,明治後期から昭和初期まで新津油田が県内最大の産地だったが大正期以降絶対量で減少したこと等を確認した。第三に新津油田及び全国の業者別原油産額の推移から,1906年には中野が日石・宝田に次ぐ第3位の採掘業者であり全国的には日宝合併以後第2位となったこと,日石・宝田・中野の3者は概して他を引き離していたこと等を確認した。第四に中野家の販売先別原油販売額・量の推移から,新潟・長岡・新津に所在する多数の精製業者に原油を販売し中でも小倉石油・大協石油・昭和石油の源流となる業者に大量に販売していたがその推移等に差やばらつきが見られたこと,日本石油等一貫操業会社への原油販売も行っていたこと等を確認した。
- 2010-03-11
著者
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