精神科看護における服薬アドヒアランス研究の現状と課題
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概要
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本研究の目的は,精神科看護における服薬アドヒアランス研究を概観して今後の研究課題を明らかにすることである. 2004年から2008年に発表された論文のうち, 本研究目的に合致する53の文献についてレビューを行った. 53の文献のほどんどが, 「成人期に統合失調症で入院している患者」を研究対象としていた. アドヒアランス向上を目的とした介入を行っている41の文献のそれぞれにおいて, 独自の心理教育プログラムを行っていたが, そのほとんどは同じような内容であった. またどの研究も介入前後の比較のみを行っており, 対照群を設けての比較は行っていなかった. この41の文献から1つの洗練された心理教育プログラムと評価指標を導くことと, それを用いてケースコントロール研究を行っていくことが必要だと考えられた. また, 今回のレビューにおいて18歳未満の子どもを対象としている研究はなく, 子どもを対象とした心理教育プログラムの作成が必要だと考えられた. 子どものメンタルヘルスの問題が増加している現在, 子どもの服薬アドヒアランス研究が進むことが今後の課題だと考えられた.
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