物理のための計算機実験(1) : モンテカルロ法によるラプラス方程式の解
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概要
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大学への進学率が高まるにつれて,学生の興味,能力も多様化してきている.しかし,"物理学"という授業を通してみた今日の大学初年級生に共通した特長は"できあがった知識の吸収は得意だが,その知識を生かすことは苦手で,現象とそのおくにある法則とのつながりの理解が不足している"ようである.現象と法則とのギャップを埋めるためには,まず,学生の興味と好奇心を呼び起こし,積極的に授業にとり組ませることが必要である.このため,学生の学習意欲を助長する一つの方法として計算機実験を授業にとり入れることを試みた.今回は管の中の温度分布とラプラス方程式の関係を理解するためにモンテカルロ法を使った計算機実験を考えた.モンテカルロ法は問題を乱数を用いて確率的に解く手法であるが,基本的には差分法と一致している.モンテカルロ法では厳密解を求めることはできないが,解の収束が境界条件に依存しないという利点をもっている.また,モンテカルロ法では乱数を使ったランダムウォークの試行回数が解の精度と関係していることから試行回数の決定が問題であるが,今回の計算機実験では格子点での温度の標準偏差にRC回路の時定数の考えを適用してランダムウォークの試行回数を決定した.任意に選んだ格子点について,標準偏差の値が最初の1/eになるときのランダムウォークの試行回数は約350回であった.350回のランダムウォークを行って算出した管内の温度分布は差分法で求めた温度分布とよい一致を示した.
- 日本物理教育学会の論文
- 1979-09-25
著者
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