女子短大生の自己概念と適応
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概要
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本研究では長島らの作製した自己概念記述尺度Form Aを使用して、「現実自己」、「理想自己」、「他者自己」の3つの自己を測定し、各自己間の評定値の差の総平方和とMMPIの16尺度(追加尺度Dq,MASを含む)との関係を検討した。その結果、MMPIの妥当性尺度のうち、FとK、臨床尺度のうち、Pa,Sc,Siそれに追加尺度のMASの6尺度とΣD^2との間に相関が見い出され、ΣD^2の大きい人はΣD^2の小さい人に比較して、(1)自己批判的または偽悪者ぶる傾向、(2)過度の感受性と邪推、猜疑的傾向、(3)分裂的行動傾向、(4)社会的内向、(5)不安傾向、(6)抑うつ的傾向などの強いことが明らかにされた。またMMPIに基づいて分類したP.C+B.L群と正常群の間にもΣD^2に有意な差が見い出され、これらの結果は、自己概念と適応の関係が一義的・直線的なものであることを示唆している。「他者自己」導入の有効性についても検討され、特に青年を対象にした場合、「現実自己」と「理想自己」との差異とともに「現実自己」と「他者自己」の差異も適応の指標として重要であることが指摘された。
- 活水女子大学の論文