日本型人材育成の再構築に向けて : 日本的強みの再生(第2報告,日本型経営の新しいモデルを求めて)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本企業は世界的大競争に対応すべく経営改革を進めてきたが、今日人事・人材育成に関連すると思える様々な不具合が発生してきている。不良品やリコールの多発、コンプライアンス違反、モラールや忠誠心の低下、人間関係やチームワークの劣化、人の使い捨てによる心の荒廃やストレスの拡大、雇用不安の増大などである。従業員の雇用に対する不安や社内での存在感が希薄になれば、企業の活力や長期的安定に確実にマイナスに作用しよう。その原因は、その場しのぎでかつ行き過ぎた人事・人材育成改革にあるのではないか。とりわけ短期契約社員の増加による使い捨てや、経営構造との未整合のままの無理な成果主義の導入、長期的人材育成の軽視などの影響が大きいと考えられる。世界大競争時代となった今日は、日本的経営は大幅に機能を低下させ、米国型システムに新たな解を求めての改革が急である。そのため、従来の日本的強みも捨て去ってしまった感がある。多くの不具合が明らかになりつつある今日、再度システムあるいは運用を見直し、日本的強みの再生を図ることが必要ではないか。時代の流れの中で個人に重点を置くシステムをとりながら、精神のゆとりをとり戻し心を燃え上がらせる方向を検討すべきであろう。たとえば、金銭ではない報酬の価値の見直し、ゆるやかな評価、人間関係やチームワークの再構築、そして自己実現を目指してのキャリア形成などである。
- 2009-10-23
著者
関連論文
- 日本型人材育成の再構築に向けて : 日本的強みの再生(第2報告,日本型経営の新しいモデルを求めて)
- 21世紀の経営を担う人材の知力 : 知力の要素と開発策を中心として
- 戦略的マネージャーの開発(第2報告,人材開発のための経営教育-実学と経営実践,統一論題報告,日本経営教育学会第54回全国研究大会)
- 1 企業内プロフェッショナルの育成 : 高度専門性の開発を中心として(経営教育と経営の新課題)
- 企業内教育のケーススタディ