先天性心疾患手術を受ける乳幼児を持つ母親の思い : 術前に自宅療育経験のある母親の場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は、先天性心疾患手術を受ける乳幼児を持つ母親が術前に自宅療育経験のある場合、"子どもの心臓手術"に対して抱く思いを明らかにするために行った。参加者10名から得たデータをグラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。その結果、母親は手術を子どもが生きるための【乗り越えなければならない課題】と捉えていたが、手術室入室時には【子どもの命や子どもの普通の生活が失われる恐れ】として感じていた。それは自宅で子どもの生活全般をみてきた母親が一瞬でその役割を失い、【何もしてやれない】立場に立たされる瞬間でもあった。【子どもの命や子どもの普通の生活が失われる恐れ】を強く感じつつ【何もしてやれない】思いは、ICU管理中も続いた。ICU退室の頃には【子どもが安全圏に入ったと感じたことによる安堵】を感じ、一般病棟で共に過ごす生活の中で子どもが自分の手に戻った実感を得て【何もしてやれない】思いも薄れた。最終的に、手術の成功や入院している他の子どもと母親から得た力を【再スタートへの糧】とし、母親は退院後の新たな療育生活へと視点を向けていた。
- 2006-03-20
著者
関連論文
- 乳児期に心臓手術を要する児の発達に関する研究--1歳半における発達とその関連要因
- 乳児期に心臓手術を要する児の発達に関する研究 : 乳児期前半における発達とその関連要因
- 心臓手術中の子どもを待つ家族への術中訪問の実施状況に関する実態調査
- 点滴施行中の小児を受け持つ学生に対する臨地実習指導体験をもつ看護師の認識
- 先天性心疾患手術を受ける乳幼児を持つ母親の思い : 術前に自宅療育経験のある母親の場合
- 臨床看護師による子どもへのプレパレーションを取り入れた授業における学生の学び
- 小児病棟に入院している青年期キャリーオーバー患者への看護実践
- 自閉症スペクトラム障害をもつ幼児の食事に関する母親の認識とその対処