尿失禁者の自己効力感測定スケールの開発
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概要
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目的:女性尿失禁者の多くは腹圧性,切迫性または混合性である.尿失禁の症状の治療または改善と関連し,自己効力感が考えられる.本研究は,コンチネンス効力感を測定する尺度の作成,およびその信頼性,妥当性,有効性を検討することを目的とした.方法:対象者は腹圧性尿失禁(または混合性)の症状があり,現在医療機関に受診していない24歳から85歳までの女性222名(平均年齢51.5歳)であり,コンチネンス効力感予備スケール,一般性自己効力感,抑うつ感を自記式質問紙郵送法によって検討した.結果:コンチネンス効力感予備スケールの暫定項目に対する分析の結果,説明率59%の2因子の構造をもち,因子負荷量0.5以上であったのは16項目であった.コンチネンス効力感の得点分布は22-160点(平均±標準偏差は101・7±27.9)であった.専門家による妥当性は高く,内的一貫性を表すCronbach Alphaは0.893であり,Test-Retest法による信頼性も信頼係数0.759であった.結論:以上のことより,16項目からなる尿失禁者のコンテネンス効力感スケールは,信頼性があり,妥当性をもつものだと判断した.
- 日本老年看護学会の論文
- 1998-11-15
著者
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金川 克子
東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学分野
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金川 克子
石川県立看護大学地域・在宅・精神看護学講座
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金川 克子
日本老年看護学会研究活動推進委員会
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金 曽任
東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻地域看護学分野
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金川 克子
東京大学大学院医学系研究科
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金 曽任
東京大学大学院医学系研究科
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