嶺北地域における素材の生産構造(自由論題論文,1994年秋季大会)
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概要
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高知県嶺北地域は,スギ材主体の民有林が優越する林業地帯で,1994年現在で約15万m^3内外の素材生産量がある。国有林は地域の素材生産の30%を占め,本山署は地域の森林組合への事業供給者として重要な位置を占めている。また,その森林組合は国有林事業の他,比較的規模の大きい所有者に依存する割合が高い。そのほかの素材生産主体は,大規模林業事業体からの請け負いを主とするもの,第3セクター等の新興の大規模素材生産会社,従来から存在する素材生産業者で規模の大きく専業的なもの,そして小・零細規模業者および自伐林家等に大別されるが,小・零細業者および自伐林家を除き,高性能林業機械の導入という展開方向を示している。しかし,もっとも先進的な素材生産事業体として位置づけられる第3セクター等の新興の大規模素材生産会社も,民有林を中心にみられる計画性の欠如,林地自体の小規模分散性にその展開を強く規定されている。今後,これらの点をどのように解決していくかが,それら事業体の展開のみならず,地域の林業の展開という点からも課題である。
- 林業経済学会の論文
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