トータルレコーディング技術に基づく地上デジタル放送マルチパス波の到来方向・遅延時間高分解能測定法(無線システム,<特集>シミュレーション・解析手法とアンテナ・伝搬技術論文)

概要

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地上デジタル放送について,室内での受信並びに周囲に建造物が林立する環境での固定受信においては,一般に弱電界エリアであることが多く,直接波の受信が期待できないこと,マルチパス環境が顕著に影響するために伝搬環境,特に受信所望波の到来方向及び遅延時間の定量的かつ高分解能な把握が重要となる.このための到来方向推定にはアレーアンテナが有用であるが,一般的手法では複数の到来波を判定するために波数と比べアレー素子数を十分大きくする必要があるほか,すべてのブランチの信号を一括して同時に取得しなければならない.また,遅延時間の推定には受信側において既知の広帯域信号が必要になることから,実放送波を利用する到来波・遅延時間推定には有用かつ簡便な手法が確立されていない.そこで,本論文では,高SN比の信号が受信される場所と被測定環境との2点で同時収録を行い,高SN比信号を基準信号として目的信号を精密に解析する新しい測定法を提案する.本手法では,トータルレコーダ(1台)を用いて,被測定信号と高品質信号を各アレー素子について同時収録し,オフライン処理により基準・被測定双方の受信データから相関行列を作成,ここから固有値解析を行って,到来波の角度特性や遅延特性の精密な測定が可能であることを述べる.
2009-09-01

トータルレコーディング技術に基づく地上デジタル放送マルチパス波の到来方向・遅延時間高分解能測定法(無線システム,<特集>シミュレーション・解析手法とアンテナ・伝搬技術論文)

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