「標準」と「知財」のビジネスモデル : AIDC企業事例を中心に
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概要
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本稿はAIDC(Automatic Identification and Data Capture:モノの固有情報をバーコードやRFIDなどで読み取る自動認識技術)に関する企業のビジネスモデル事例の積み上げから、「標準または標準化」とパテントである「知的財産権」のミックス戦略を扱い、質的分析によって中範囲のモデル化を試みるものである。また技術イノベーションの収益化とはなにかについて、ビジネスモデルの視角から理論と事例を考察する。ビジネスモデルとは新しい概念であるが、先行研究から得られる重要点を整理し、本研究の枠組みを提示する。事例は、近年目立ってきている「標準」と「知財」に関連するビジネスモデルを取り上げ、競争優位性を保有するデンソー社、インターメック社のビジネスモデルを明らかにする。収益の源泉すなわち「儲けるビジネスモデル」を形成するには、開発技術を標準化し、それを知財と関連付けるに際し、「中核」に据えるかまたは「周辺」に据えるかというふたつの選択肢がある。例えば開発技術を標準化し、これに知財を組み込んで知財収入を得る儲けのビジネスモデルが「中核」型であり、知財収入を得るのではなく、標準化によって普及を目指し、周辺機器・サービスを多く販売することによって形成するB to Bの儲けのビジネスモデルが「周辺」型である。この場合、「標準・知財」と「中核・周辺」の組み合わせパターンは6ケースがある。筆者の調査によれば,このような「標準・知財」と「中核・周辺」の組み合わせケースのうち、ケース3(インターメック社)、ケース4(デンソー社)が儲かるビジネスモデルを形成している。調査方法は2005年から2008年に合計8回の対象企業への聞き取り調査、5回の関連技術研修会等への参加、文献調査などである。
- 2009-04-30
著者
関連論文
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