大阪城内堀堆積物の花粉分析から見た江戸時代末期以降における植生変遷と花粉飛散状態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大阪城内堀から採取された近現代の堆積物試料を用いて高解像度の花粉分析を行った.堆積物中の花粉群集は大阪城周辺および大阪の山地や低地の植生を反映している.また,堆積物中の花粉量は大阪城周辺の花粉飛散量を反映している.代表的な花粉出現率と花粉量に基づいてUA-1からUA-4の4花粉帯を設定した.UA-1(江戸時代末期)は山地には低密度のマツ林が分布していた.また,低地にはムクノキーエノキ群集が分布し,花粉飛散量は少なかった.UA-2(1880年代から1940年代)はマツ林が拡大し,その結果,マツ属の花粉飛散量が増加した.UA-3(1950年代から1960年代)は山地ではマツ林が減少し,大規模なスギやヒノキの植林が行われた.その結果,マツ属の花粉飛散量が減少した.UA-4(1970年代から1990年代)はスギやヒノキの人工林が成長した.加えて,大阪城の開発が行われ,内堀周辺にニレ,ケヤキの植樹が行われた.その結果,スギ,ヒノキタイプ,ニレ属-ケヤキ属花粉の飛散量が増加した.
- 2009-06-30
著者
-
吉川 周作
大阪市立大学理学研究科
-
北川 陽一郎
大阪市立大学大学院理学研究科
-
獺越 君代
奈良市立平城小学校
-
山崎 秀夫
近畿大学理工学部
-
吉川 周作
大阪市大・理
-
吉川 周作
大阪市立大学理学部人類紀自然学研究室
-
吉川 周作
大阪市立大学大学院理学研究科生物地球系専攻
-
吉川 周作
光明池団研グループ
-
吉川 周作
大阪市立大学大学院理学研究科
-
吉川 周作
大阪市立大学理学部地球学教室
-
山崎 秀夫
近畿大学理工学部原子炉工学科
-
吉川 周作
大阪市立大学理学部地学教室
-
Yoshikawa Shusaku
大阪市立大学大学院理学研究科
-
吉川 周作
大阪市立大学
関連論文
- 大阪城内堀堆積物の花粉分析から見た江戸時代末期以降における植生変遷と花粉飛散状態
- 琵琶湖高島沖堆積物の花粉分析からみるMIS6, 5, 4, 3における植生変遷
- O-263 長崎湾飽の浦沖ボーリングコアの岩相層序(30.第四紀地質,口頭発表,一般講演)
- 愛媛県大洲・内子盆地に分布する下部-中部更新統の層序と編年
- 琵琶湖周辺に分布する黒色土中の黒色植物片について : 黒色土中の微粒炭研究の新たな取り組み
- Ma9層に対比される神戸市学園都市周辺の高塚山粘土層(29.第四紀地質)
- 大阪湾新島ボーリングコアの微粒炭分析による完新世の植物燃焼の歴史(29.第四紀地質)
- P-289 球状炭化粒子を用いた堆積物の年代推定法 : 大阪市内の堀・溜池堆積物を例にして(32. 第四紀地質)
- P-287 岐阜県揖斐郡谷汲村深坂湿原における花粉および微粒炭分析による後期更新世から完新世の古環境変遷(32. 第四紀地質)
- 大阪城堀堆積物の球状炭化粒子と微粒炭からみた化石燃料燃焼史および火災史