CSRのコミュニケーション形成に関する一考察(第1報告,第2セッション【CSR】,日本企業の経営実践と経営教育)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ISO26000(社会的責任規格)が2010年秋の策定に向けて進んでいる。CSRは下位概念から法的責任、経済的責任、倫理的責任、社会貢献的責任へと累積されてこそ意味がある。法は倫理の最下限であり、経営倫理としての法的責任の遂行には、セルフ・ガバナンスのコンセプトに基づく、個人倫理と組織倫理の合一化が求められる。さらに、今日のような100年に一度の経済不況にあっても経済的責任は企業経営における枢要としての義務でもある。企業がおかれた環境によっては、CSRをこの2つの責任だけで良しとする場合もあるが、多くの企業は、「社会の公器」として、本業を通じた倫理的責任、社会貢献的責任までも含めて考えるべきである。しかし、現実の企業経営においてその成功の秘訣は、トップのコミットメントと社員のグラスルーツ(草の根)のCSR活動がインボルブメント一体化されたCSR活動にある。そこにはコミュニケーション形成の理論として受信者と発信者間のノイズの除去と価値共有の問題がある。さらには個人だけでなく、組織全体の価値観にも影響を及ぼす教育・訓練の重要性もある。それは教育・訓練は、組織の上位者から管理・監督がなされなくとも、倫理的価値観に基づき仕事や任務を遂行することができる「判断基準の枠組み」を提供し、倫理的感受性を高めてセルフ・ガバナンスの醸成にもなる。本報告では、CSRにおけるコミュニケーション形成の意味を考察し、その啓発活動を通じて、組織の自浄能力を高め、不祥事を予防するとともに、CSRを通じて持続可能な組織と社会の発展の双方に寄与することを狙いとする。
- 2009-06-26
著者
関連論文
- 経営倫理における自浄的な相談・通報体制の内部制度化
- 戦略的CSRの価値を内包したBOPビジネスの実践に関する一考察
- CSRのコミュニケーション形成に関する一考察(第1報告,第2セッション【CSR】,日本企業の経営実践と経営教育)
- 情報化効果の制約要因 (オフィス・オートメーション学会第41回大会予稿集) -- (自由論題)
- 情報化データの分析と産業マップの利用
- 企業情報化の現状と効果マッピング
- 情報技術利用効果調査基本集計結果 : 情報技術産業マップ作成に向けて
- ビジョナリー・コーポレート・ブランドの構築 (オフィス・オートメーション学会第41回大会予稿集) -- (研究部会報告)
- 企業倫理への取り組みとその成功条件 (特集 企業倫理)
- 企業の社会的役割と責任 経営倫理が持続的発展の礎石となる (特集 21世紀型の企業形態)
- 埼玉県における中小企業を中心とした経営革新動向の実態調査
- 経営倫理・経営教育
- ステークホルダーから見た企業評価の新展関 : ベストプラクティス企業の条件と課題(自由論題)
- 経営倫理の内部制度化に関する一考察
- 高齢社会における飯能市の社会経済システムに関する研究
- 企業文化と倫理的感受性
- マーケティング・ストラテジー(ストラテジー&IT不況)
- 情報化社会とステークホルダー・マネジメント(統一論題『情報化社会と経営倫理』)
- 経営倫理監査の内部制度化
- 企業経営の持続的競争優位とCIOの役割
- ビジネスに関する一考察
- 21世紀における経営倫理 : コーポレート・ガバナンスにおけるステークホルダーアプローチ
- 知識ネットワーク社会における多元価値企業とエシカルカスタマー
- 経営倫理とコーポレートガバナンス : セルフガバナンスの視点から
- コーポレーションの社会責任とマーケティング倫理(コーポレーション)
- バーチャルマーケットにおけるE-コミュニケーション戦略
- 知識ネットワーク社会における多元価値企業とエシカルカスタマー (オフィス・オートメーション学会第41回大会予稿集) -- (自由論題)
- 経営倫理と環境戦略 (特集(1)環境と企業)
- バーチャルマーケットにおけるE-コミュニケーション戦略
- 特別寄稿 わが国企業のCSRへの取り組み動向と今後の課題--企業と社会の持続可能な発展をめざして
- 東南アジアの経済危機とその転換 : 日本企業とヨーロッパ企業の戦略的対応をめぐって
- 化粧品産業の経営史
- メディアと顧客 (「メディアと人間」特集について)
- グローバルCSRの視点によるBOPビジネスと共益の創造 : ガーナにおけるカカオ・サスティナビリティの要諦と展開
- グローバルCSRの視点によるBOPビジネスと人間開発に関する一考察 : ガーナにおけるシアバタービジネスの要諦と展開
- 「いざなみ景気」からの学び : 当経済研究所の足跡
- CSRを機軸としたグローバル戦略に関する一考察 : メキシコにおけるヤクルトの健康改善ビジネスからの学習
- グローバルCSRを機軸としたCSVに関する一考察 : ヤクルトを中心として,企業のサスティナビリティ活動からの学習(企業による地域経営圏の構築)
- 失われた20年、日本における経営倫理の軌跡と将来展望 : 経営倫理(企業倫理)、コンプライアンス、コーポレート・ガバナンスそしてグローバルCSRの視点から