マメ科特異的5-デオキシ型イソフラボノイド生合成遺伝子の解析からわかってきたこと(<特集>二次代謝)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マメ科植物には,タンパク質を豊富に含む食糧・飼料として,あるいは薬理活性物質・生薬の原料として重要なものが多い.筆者らは,マメ科のモデル植物ミヤコグサ(Lotus japonicus)を用いて,マメ科特異的5-デオキシイソフラボノイド生合成に関わる酵素遺伝子の網羅的解析を目指し,フラボノイド骨格形成から抗菌物質ベスティトール生成に至るほぼ全ての酵素遺伝子の構造と機能を明らかにした.その結果,いくつかの遺伝子に重複余剰性がみられ,多重遺伝子族がタンデムクラスターを形成していることがわかり,局所的遺伝子重複と変異の蓄積がマメ科特異的二次代謝遺伝子の出現をもたらしたことが示唆された.マメ科植物の重要な特徴に根粒菌との共生窒素固定があり,マメ科植物はその進化の過程で,他の植物にとり未開拓地であった貧栄養地域に進出したことが予想される.恐らく,そこで多様な生物的・非生物的環境に適応したことが,現在のキク科・ラン科に次ぐ多様性をもった一因であろう.生合成遺伝子の重複余剰性は,マメ科植物の多様な環境への適応力に貢献したと考えられる.
- 植物化学調節学会の論文
- 2009-05-31
著者
関連論文
- オドントグロッサム類(ラン科)の染色体数
- ファレノプシス葉の微弱電流発生機構に関する研究
- カモカモMyrciaria dubia(フトモモ科)の種子の形態および発芽について
- DNAマーカーを用いたバラ野生種及び園芸種の識別と系統 : (第3報)葉緑体DNAの母性遺伝といくつかの雑種における母系の推定
- DNAマーカーを用いたバラ野生種及び園芸種の識別と系統 : (第2報)PCR増幅した葉緑体DNA断片の制限サイトの多型
- オドントグロッサム類数種の染色体数
- マタタビ属植物における種間雑種の育成
- ファレノプシスにおけるカテコールアミン類の局在性の検討
- アントシアニン生合成が抑制されたミヤコグサの突然変異体
- 葉緑体 DNA 多型によるバラ属植物の系統関係の解析
- マウスの処女発生に関する検討
- マメ科特異的5-デオキシ型イソフラボノイド生合成遺伝子の解析からわかってきたこと(二次代謝)
- 大豆イソフラボンの生合成に関わる酵素たん白質をコードする遺伝子の発現解析
- イソフラボン生合成経路と遺伝子の完全解明 (第14回天然薬物の開発と応用シンポジウム 講演要旨集) -- (シンポジウム-4 遺伝子情報を用いた植物有用成分開発の新戦略)
- 西洋タンポポのFPP代謝 : スクアレン合成酵素遺伝子のクローニング
- 14-1 ベトナム領メコンデルタ北西部に分布する酸性硫酸塩土壌の特性(その1) : 同位体比によるメコンデルタ生成過程の評価と植生分布(14.土地分類利用・景域評価,2008年度愛知大会)
- 14-2 ベトナム社会主義共和国メコンデルタに分布する酸性硫酸塩土壌 : 硫黄の存在形態(14. 土地分類利用・景域評価, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 14-1 ベトナム社会主義共和国メコンデルタに分布する酸性硫酸塩土壌 : メコンデルタの生成・概況・土壌理化学性(14. 土地分類利用・景域評価, 2006年度秋田大会講演要旨)
- マウス前核期卵を用いた長期体外胚培養の検討
- マウスにおける反復過排卵誘起の処理間隔と異常分割像を示す未受精卵子の出現率との関係
- 精子ベクター法による卵子への遺伝子導入の改良
- GV期核移植により得られた再構築卵子の受精及び発生能
- 活性化のタイミングが再構築胚の発生に及ぼす影響
- 体細胞核移植によるマウス再構築胚の作成と発生能 : 卵細胞質内直接注入法と電気融合法の比較
- マウスの系統差による円形精子細胞の卵活性化能についての検討
- 数種カンナ属植物系統間の生育特性の比較
- 円形精子細胞の受精能力に関する検討
- 体細胞核の移植によるウサギ胚の再構築とその発生
- タイ北部より導入したサヤダイコン(Raphanus sativus)のわが国における生育特性と抽苔・開花に対する低温要求性
- マメ科植物と根粒菌のケミカルコミュニケーション
- マメ科モデル植物のゲノム情報とバイオリソースを利用した天然物生合成遺伝子の同定
- イソフラボノイドの生合成とシトクロムP450 : 化学結合の切断・転位を伴う酸素化反応による植物機能物質の構築
- ミヤコグサ根粒菌の共生状態における1-aminocyclopropane-1-carboxylic acid deaminase遺伝子(acdS)の転写解析(2006年度大会一般講演要旨)