細胞接着マイクロパターニングとアクチン細胞骨格の配向制御 : 原子ビームを用いた基板表面改質の試み(<小特集>生体・医療材料)

概要

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原子状酸素ビームを用いたFEP基板表面の改質により,細胞接着のマイクロパターニングを試みた.まず,改質表面の特性および細胞接着親和性について検討した.その結果,原子状酸素ビームの照射により,基板の表面粗さが大きくなり,ぬれ性が低下した.また,骨芽細胞様細胞を播種した結果,表面改質により,細胞密度および個々の細胞接着面積が増加した.このことより,原子状酸素ビーム照射による表面改質により,細胞接着親和性が向上し,結果として,細胞増殖能が増大したことが示された.次に,正方形,円形,および直線形の空孔パターンを配置したメッシュマスクを用いて,FEP表面のパターン改質を行い,その表面に細胞を播種した.その結果,細胞は,デザインされたマスクパターンと同様のパターンを形成した.また,多くの細胞は,改質領域と非改質領域との境界近傍に接着しており,さらに,それらのアクチン細胞骨格構造を観察した結果,骨格構造が,境界に沿う方向に配向していることが確認された.
日本結晶成長学会の論文
2004-07-31