温室内におけるカバタテハの睡眠に関する行動と環境条件
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概要
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カバタテハ成虫の睡眠に関する行動を温室内で調べた.本種の日周活動は主に午前中であり,14:00-15:00になると集合して静止した.チョウは集合開始後徐々に個体数を増加させ,静止姿勢は「開翅→開閉→閉翅」と変化した.集合開始と気温や照度との間に明確な関係は認められなかった.しかし,集合の経過は照度の変化と関係が深く,生物園(冬期)では照度の低下速度が大きいほど速く集合し,睡眠完了は集合場所の照度が01xになったときであった.昆虫生態園(春期)でも睡眠完了は照度と関係し,チョウが日光浴のために集合した後,低照度の藪内へ移動した.睡眠完了の時刻は両時期ともほぼ17:00であった.本種の睡眠への入り方はオオゴマダラとは異なり,早い時刻に睡眠場所へ移動した後時間をかけて姿勢を変化させ睡眠した.これらの行動は体温調節に関係する可能性が考えられた.睡眠姿勢は翅を閉じ,触角は基部を合わせ先端をわずかに開く状態で前方へ倒した.
- 2009-03-30
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