新生児の沐浴技術における児頭固定の早期習得に関する研究

概要

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本研究は,沐浴における児頭固定時の手掌部の圧力に着目し,試作した沐浴時の児頭固定のための視覚フィードバック型圧力調整用模擬練習装置を用いて練習を行わせるTR群と行わせないNTR群の比較実験を行い,初学者の経日的な児頭固定方法の習得効果を検討することを目的とした。被験者は,沐浴に対して初学者である青年女性14名(TR群7名およびNTR群7名)および助産師である熟練者群8名である。その結果,熟練者群の平均圧力は母指指小球部(以下,T部と表記する)5.0±4.4kPa,中指指小球部(以下,M部と表記する)7.3±4.7kPa,小指指間小球部(以下,F部と表記する)21.3±16.8kPa,圧力比はT部:M部:F部=1.9:2.6:5.5であった。熟練者群とTR群の各実験日との平均圧力比の比較では,F部は1日目に1%水準で有意に低く2日目以降は有意差がなかった。一方,NTR群のF部はすべてにおいて1〜5%水準で有意差があった。練習装置を用いて児頭固定を行った初学者は,とくにF部においては熟練者群に近づく傾向が示され,本研究における教示方法は現代背景に沿った養育者の教育に応用可能であると考える。