佐川盆地北縁の地質の再檢討 : 四國秩父累帶の研究VI(地学団体研究會創立十周年記念号)
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概要
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高知県佐川盆地は(西南日本外帯)秩父累帯の地質研究の古典的な地域である。その中の川内ケ谷北方の一帯はかつて小林貞一・青地清彦・深沢恒雄(1940)によって研究され、この地域のトリアス系が逆転し、さらに、その上に古生界が、クリッペとして座上しているとされたところである。これと前後して、小林貞一は、このような逆転構造や大規模なデッケン構造が秩父累帯に広く発達していると主張し、それを白亜紀中頃の変動によると考えとくに佐川盆地の名をとって"佐川造山"と称した。しかし、筆者の一人甲藤が、この地域に掘さくされたトンネル内の観察を行った結果、これに疑問をいだき、さらに須鎗・石井・市川が加って精密な調査を行った結果、小林らの報告が事実と異ることが明らかになり、かれらの主張するような大規模な逆転やクリツペ構造は認められないことがわかった。
- 地学団体研究会の論文
- 1956-03-25
著者
-
石井 健一
神戸大:内モンゴル先ジュラ紀地質日中共同研究グループ
-
市川 浩一郎
大阪市立大学・理
-
石井 健一
大阪市立大学理学部地学教室
-
甲藤 次郎
高知大学文理学部地学教室
-
須鎗 和已
徳島大学学芸学部地学教室
-
市川 浩一郎
大阪工大:内モンゴル先ジュラ紀地質日中共同研究グループ
-
甲藤 次郎
高知大学文理学部生物学教室 地学教室
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