45. 実践的防災計画の策定のための地震被害想定の在り方 : シナリオ型地震被害想定の提案
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
これまでの地域防災計画(地震編)策定の考え方は、地域に被害をもたらすと予想される切迫性のある大地震の特定から出発し、断層モデルを設定した上で、統計学的に扱いが可能な物的被害を予想し、応急対策計画を策定するというものであった。このようなアプローチは、時間とお金がかかるだけでなく、地震学的にある程度わかっている地震しか対象にできず、しかも応急対策計画にとって必要な重要施設の物的・機能的被害を扱うことができないという欠点を持っていた。しかし、阪神・淡路大震災以降、震度7クラスの地震対策の必要性が叫ぱれている。この発想は、現在の地震学の知識の中で切迫性が高いと考えられるもののみに限定して地震応急対策を考え、計画化するという従来の考え方と一線を画すものである。すなわち、地域社会の安全を脅かすリスクからみて対策をとっておくことが必要と判断される地震をまず設定し、計画策定の基礎にしようとしているからである。このような課題を解決するための手法の一つとして、シナリオ型地震被害想定が考えられる。この手法は地震像の曖昧性と被災地域の狭域性から指摘される問題を解決し、さらに、被害想定と応急対策計画の明確な対応づけを行うと共に、策定過程においてのコミュニケーション・プロセスを重視するという点で、より実践的な防災計画を確立することが可能である。
著者
関連論文
- 45. 実践的防災計画の策定のための地震被害想定の在り方 : シナリオ型地震被害想定の提案
- 17.中国の地震対策(F.一般セッション,ポスター発表,一般論文発表)
- 中国の地震関連法の現状について(調査企画委員会コーナー,ポスター発表)
- 地震長期確率評価情報に対する小田原市民の反応
- 長期確率評価情報が防災意識に及ぼす効果
- 43.実践的防災計画の策定のための地震被害想定の在り方 その2 : シナリオ型地震被害想定の作成例
- 7200 大規模地震災害と緊急対応体制 : 1994年ノースリッジ地震における地域緊急対応チームの活動調査
- 16. 応急対策意志決定支援のための応急対策需要量と供給可能量の予測方法(その2)(被害予測と緊急対応 その1)
- 移動電話の普及とその社会的意味
- インターネットが企業を変える
- 20. 応急対策意志決定支援のための応急対策需要量と供給可能量の予測方法(III. 被害予測と緊急対応 その2,第IIIセッション,第8回(平成10年度)地域安全学会研究発表会)
- 40. 実践的な応急対策実施のための訓練のあり方(VI. 被害予測と緊急対応 その2,第VIセッション,第7回(平成9年度)地域安全学会研究発表会)
- ソフトウェア産業の変貌 : この5年間の変化
- 阪神・淡路大震災におけるボランティアの活動と今後の課題
- ソフトウェア産業の地方展開と東京集中の拮抗メカニズム
- 7.テレビ電話・テレコンファレンスへの期待 : 利用者の立場から(テレビ電話・テレコンファレンス)
- P2-2 映像通信サービスの展望 : ニーズの所在
- テレビケームとこどもの遊び
- 日本におけるビデオテックス及びパソコン通信サービスの現状と課題
- 災害警報に対する住民の反応と警報伝達システムの問題点 : 平塚市における警戒宣言誤放送騒ぎの実証的分析
- 消防広域応援に関する図上シミュレーション訓練の適用及び評価手法の考察
- 5 図上演習による研修効果と課題 : 図上シミュレーション訓練の実施検証を基に
- 図上シミュレーション訓練「図上訓練」を効果的に実施するための考察(F.一般セッション,ポスター発表)
- 6. 放送機関の防災対策の現状と課題(一般セッション その1)