高校生は4つの基本味を良好に検出できるか?
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概要
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高校生の体験実習として4つの基本味について味覚テストを実施した。それは高校生の味覚認知度を調べるためである。当大学のオープンキャンパスに訪れた高校生に甘味、塩味、旨味および、酸味を有する溶液を味わってその味を当ててもらった。砂糖、塩、グルタミン酸ナトリウム・ヌクレイックアシッドナトリウムの混合物、およびクエン酸の各水溶液をそれぞれ甘味、塩味、旨味および酸味とした。各味溶液にランク1、2、3、および4を設け極めて良好な味覚はランク1、また、味覚が劣る場合はランク4、その間順に味物質の濃度を配分した。味覚テストの体験実習に参加した延べ人数はオープンキャンパス4日間で182名だった。甘味の検出において80.9%の女子生徒ならびに46.2%の男子生徒が高い認知感度を示した。塩味の検出では92.0%の男子生徒ならびに84.0%の女子生徒が高い認知感度を示した。旨味の検出では100%の女子生徒ならびに85.7%の男子生徒が高い認知感度を示した。酸味の検出では72.0%の女子生徒ならびに78.5%の男子生徒が高い認知感度を示したものの、しかし、明らかに他の3つの味覚認知度成績より異なって低かった。高校生の味覚認知度は甘味、塩味および旨味において高い。一方、酸味認知度の高い生徒の割合は他の3つの味覚に対して高い認知度を有する生徒の割合より低いことがわかった。幼い時期の味覚トレーニングに、酸味と苦味が重要視されるが、酸味認知度の低い生徒達は味覚の未熟性を反映しているといえる。味覚は身体に必要な栄養素を摂取する重要なシグナルになっているのでそれが未熟であることは健全な食生活をおくる上で支障があろう。
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