術前診断しえた左傍十二指腸ヘルニアの一例
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概要
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術前に診断しえた左傍十二指腸ヘルニアを経験したので報告する.症例は71 歳女性.主訴は左上腹部痛,嘔気,嘔吐であった.腹部所見では左上腹部に圧痛を伴う膨隆を認めた.7ヶ月前から同様の症状を数回繰り返していた.来院時の腹部CTでは左上腹部前腎傍腔に径8cmの被覆化された小腸塊を認め,下腸間膜静脈の背側より左側後腹膜腔に陥入したものと考えられた.入院後すぐに症状は消失し,腹部CTでも自然と解除されていた.しかし再度陥入したためイレウス管挿入下に減圧と小腸造影を施行後, 待機的に手術施行した.手術時,小腸は陥入しておらず,ヘルニア門の縫合閉鎖を行った.傍十二指腸ヘルニアは術前診断が難しいといわれているが自験例では臨床症状や画像診断により本疾患に特徴的とされる所見を認め診断が可能であった.
- 長崎大学の論文
- 2008-06-25
著者
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松尾 俊和
地域医療新興協会市立大村市民病院外科
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中村 司朗
大村市立病院外科
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村上 豪志
大村市立病院外科
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村上 豪志
市立大村市民病院 外科
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松尾 俊和
社団法人地域医療振興協会市立大村市民病院外科
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