カルガモAnas poecilorhyncha zonorhyncha SWINHOEによるイネOryza sativa L.の被害について
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概要
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1. カルガモによるイネの被害を, 1973年秋から1976年春にわたって,伊豆沼周辺,化女沼周辺,仙台市東部において調査した。2. 被害は,春における苗代・田植期におけるものと,秋の稔実・乾燥期におけるものに大別される。3. 秋の被害は食害によることは明らかであるが,春の被害-苗の脱落,食べられる-の発生機構は明らかではない。4. 飼育カルガモの摂食量は135gであったが,野外ではそれ以上摂取すると思われる。剖見によって知られた1回の飽食の量は,25g前後と思われる。5. 春秋を問わず,被害は水域付近に集中して発生する一方地理的条件に支配されるものと考えられる。6. 稔実期の被害は,通常田の縁辺の最外側の株にのみ見出せる。イネの1茎からの被食籾数は平均して約22粒である。7.稔実期の通常の被害の量は,概して湖沼からの距離に応じて対数的に減少する。8. 稔実期の著しい被害が湖沼の側で発生することがある。被害は30%以上に及ぶことがある。9. 通常の稔実期の被害は軽微で,推定収量の1%を超えることはまず少ない。伊豆沼での例では最高0.27%であった。10. 仙台市東部における農家へのアンケート結果から試算すると,春の被害は1戸当り水田面積平均263m^2(95%信頼限界76.5〜450.1m^2)で,地域の耕作面積当り3.7%が得られる。
- 仙台大学の論文
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