仙台市井土浦におけるカニ類の分布 : とくにチゴガニIlyoplax pusillus (DE HAAN)とコメツキガニScopimera globosa DE HAANのすみわけとともずみについて
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概要
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仙台市の井土浦周辺において,潮間帯を中心にカニ類の分布を調べた。この地域には3科11属13種のカニ類が見出された。そのうちとくにチゴガニとコメツキガニとについては,すみわけやともずみのようすが吟味された。1. チゴガニとコメツキガニの生息域はおおよそ区分されており,それらの基質の粒度組成は,チゴガニ側で径1/8以下の量が多い。2. 調査されたチゴガニ群およびコメツキガニ群の巣穴の密度は,それぞれ平均57.1/cm^2および68.0または89.6/cm^2であり,いずれも機会分布の型を示した。3. コメツキガニ群の中にチゴガニの小集団があるのが発見され,この場合のチゴガニは機会分布をなす小集団をもつ集中分布を示し,コメツキガニとともに全体は機会分布を示した。4. チゴガニとコメツキガニの巣型をとり,チゴガニでは地表下3〜5cmの深さで斜に傾斜し,コメツキガニでは下部の太いほぼ垂直な直筒であることが知れたが,それぞれの配置と屈曲の方向との関係は明らかにできなかった。
- 仙台大学の論文
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