咀嚼筋活動から見た食べやすい食材と調理法
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概要
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高齢者では咀嚼機能の低下により摂取する食品が制限されることから低栄養のリスクが高まることが知られており、咀嚼困難者のために調理法の工夫等による軟菜食やソフト食などが考案されている。そこで、本研究では、高齢者には食べにくいとされるが良質なたんぱく質源である肉類(鶏肉・豚肉)を用いて、咀嚼筋活動の側面から食べやすさを明らかにすることを目的とした。被検者はう蝕及び口腔内疾患のない健常な女子学生3名とし、ホルダー筋電計を用いて左右の側頭筋及び咬筋の筋放電量を測定し、咀嚼時間、咀嚼回数、全筋放電量、咀嚼当たりの筋放電量から食品の食べやすさを評価した。豚肉料理はポークソテー、生姜焼き、ごましゃぶなどの調理法においても鶏肉料理の親子丼より噛み応えがあった。しかし、噛み応えのある豚肉でも薄切り肉の使用やすりおろし生姜による前処理によって鶏肉と同様に軟らかく食べやすくなることがわかった。一方、鶏挽肉を使用した親子丼などの噛み応えのないものは咀嚼筋活動は少ないものの、飲み込むまでの時間が長くなることから、噛み応えのないものが食べやすい食品であるとは必ずしも言えないことがわかった。
著者
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國丸 香織
九州女子大学家政学部栄養学科
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島田 侑紀子
九州女子大学家政学部栄養学科
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徳留 千恵美
九州女子大学家政学部栄養学科
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屋代 彰子
九州女子大学家政学部栄養学科
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國丸 香織
九州女子大学家政学部栄養学科:(現)独立行政法人国立病院機構長崎医療センター
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屋代 彰子
九州女大
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