日常生活活動のモデル作業における上肢筋活動量(自然科学編)

概要

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現代の日常生活における身体活動は主に座位あるいは立位における局部的上肢活動による低強度作業が多く、全身的活動量を示すエネルギー代謝率(RMR)や心拍数などを用いた指標で個々の活動強度を表すことの適切性には疑問が投げかけられている。そこで、それらに代わる新しい定量的評価方法の開発が求められているといえよう。本研究は、このような課題に取り組むための基礎的知見を得ることを目的として、生活活動における筋活動を定量的に測定し評価しようとした。男女大学生3名ずつの被験者について、住居内における日常生活活動11種類のモデル作業を行った際の、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、円回内筋などの上肢筋表面筋電図波形を導出し、積分解析による波形処理を行い筋放電量(mV/10sec)を求め、活動時における筋放電量をその活動における筋活動量と見なした。また、相対的に活動強度を評価するために、徒手筋力検査法によるfair値を基準にした筋負担量(%MMTfair)を求めた。その結果、日常生活活動モデル作業における上肢の筋活動量および筋負担量には顕著な個人差が認められるとともに、円回内筋に強い負荷のかかる実態も明らかになった。