自己効力感を高める実習前演習のあり方の検討
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概要
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本学看護学科3年次生に実施している実習前の演習に対して,自己効力感を高めるような演習をした。その演習終了後と成人看護学実習1クール終了日の2回に質問紙による調査をした。対象は,本学看護学科3年次生45名である。その結果,以下のことが明らかになった。1)臨地実習前演習の自己効力感は,「臨地実習前演習の自己効力感尺度」の因子分析より【対象理解】【他者との関係性の構築】【基礎知識の理解の必要性】【看護過程の理解】の4因子を抽出した。この中で,【対象理解】【他者との関係性の構築】の平均値が高かった。2)臨地実習前演習の自己効力感に影響を及ぼす因子は,その因子分析より【看護に関する能力】【強い不安】【グループワークの課題達成】【課題達成への要素】の4因子を抽出した。この中で【課題達成への要素】が代理体験として自己効力感に影響を及ぼす重要な要因であった。3)【対象理解】には,【課題達成への要素】である代理体験が重要であった。4)効果的な臨地実習前演習のあり方は,学生は【対象理解】をするという看護の本質を代理体験として演習の中で教員や友人の言動をみて学ぶことや友人の学ぶ姿を体験することであった。それは,学生が主体的に演習内容を決定し,教員はそのことを支持しつつ,モデルを示すことであった。今回の調査より,演習・実習後を通して自己効力感を高めることに視点をあてた演習は有効であると言えた。今後,更なる実習効果を目指して教育的な関わりの継続的な検討が示唆された。
- 鹿児島純心女子大学の論文
著者
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上原 充世
鹿児島純心女子大学看護学部
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園田 麻利子
琉球大学保健学科
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上原 充世
鹿児島純心女子大学 看護栄養学部看護学科
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園田 麻利子
鹿児島純心女子大学看護栄養学部看護学科
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花井 節子
鹿児島純心女子大学看護栄養学部看護学科
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