インドにおける林地の画定と共同森林管理の実施を規定する要因(テーマ : 21世紀における持続可能性の新たな展開と森林資源問題-資源転換とプランテーション林業の行方-,2009年春季大会論文)
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概要
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インドの林野制度は,植民地期に制定された森林法によって創出された国有林を基盤としている。そこでは施業計画にもとづいた,森林局による排外的な生産が行われてきた。しかし独立以降,そのような「科学的林業」は住民側にとっては強制収用に等しいという批判が高まり,1988年に生産から環境,産業から地域社会の福祉へと,大幅な政策転換がなされた。それを具体化するプログラムが共同森林管理(JFM)であるが,進捗には地域的差違が大きい。そこで28州の統計をもとに歴史的背景の相違が影響を与えているかどうかをみると,何ら相関は認められなかった。次に森林指標と社会指標の相関をみると,林地の画定とJFMをともに困難にさせている要因として,焼き畑の存在が示唆された。しかし少数民族の人口比とJFMの進捗には,他の指標との間に認められるほど高い相関はなく,少数民族が多数を占める場合とそうでない場合,JFMとの親和性において異なる様相を示している可能性が考えられた。
- 2009-03-01
著者
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