入退院を繰り返している血液がん患者を看取る看護師の感情とその対処
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概要
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本研究の目的は、入退院を繰り返している血液がん患者を看取る際に、看護師がどのような感情を抱き、それにどのように対処するのかを明らかにすることである。看護師2名に、半構成的インタビューを用い、質的記述的方法でデータを分析した。その結果、<看取りに伴う感情><さまざまな感情の清算>という2つのカテゴリーが抽出された。<看取りに伴う感情>のサブカテゴリーには、[ノーマーク患者の急変や死による整理のつかない気持ち]、[自分への怖さ]、[患者の死後に抱く心残り]が見出された。<さまざまな感情の清算>では、[死後処置による気持ちの整理]と[看護師同士で行われる気持ちの整理]の2つのサブカテゴリーが明らかになった。看護師は看取りを体験することでさまざまな否定的感情を抱くことになるが、この感情をうまく解決できずに蓄積させていけば、心身の不調やケアの質の低下に繋がる。今後研究参加者をさらに増やして、こうした感情への対処を詳細に検討する必要がある。
- 2009-03-31
著者
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