ミツバチを利用した半促成ナスの着果促進技術体系の開発 : III.ナス花香成分と餌の報酬による条件付けが訪花に及ぼす影響
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概要
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セイヨウミツバチにナスの花香成分と砂糖水の報酬を連合学習させることで,ナスへの訪花を促進させる方法を検討した.ナスの花香成分を固相マイクロ抽出法とGC/MS分析を組み合わせて解析した結果,ナスの花全体および花粉から発散される主要な香気成分としてgeranylacetoneが同定された.Geranylacetoneの匂いに対するセイヨウミツバチの学習能力を調査するため,セイヨウミツバチ群にgeranylacetoneを添加した砂糖水を実験前日の夕刻に巣内給餌することで条件付けを行い,geranylacetoneを添加した砂糖水,linaloolを添加した砂糖水および単なる砂糖水の3つの餌場を設置し,放飼した.その結果,geranylacetoneを添加した砂糖水の餌場に,採餌蜂が誘引される傾向がみられた.Geranylacetoneを添加した砂糖水を巣内給餌することで条件付けしたセイヨウミツバチ群をそれぞれナスの栽培ハウスへ放飼したところ,供試した全ての群(12群)において,採餌蜂は放飼当日から翌日にはナスへの訪花を開始した.一方,対照とした単なる砂糖水を給餌したセイヨウミツバチ群は,供試した12群のうちの5群は放飼当日から翌日にナスへの訪花を開始したが,他の7群では2日後以降の訪花開始となった.これらのことから,セイヨウミツバチにナスの主要な花香成分であるgeranylacetoneと砂糖水の報酬による条件付けを行うことで,ナスへ早く安定して訪花させることができると考えられた.
- 2009-02-25
著者
-
小野 正人
玉川大学大学院農学研究科
-
剣持 伊佐男
群馬県農業技術センター高冷地野菜研究センター:(現)群馬県農業技術センター中山間地園芸研究センター
-
剣持 伊佐男
群馬県農業技術センター
-
小野 正人
大船中央病院外科
-
小野 正人
筑波大学システム情報工学研究科
-
佐々木 正己
玉川大・農
-
宮本 雅章
群馬県農業技術センター
-
久保 良平
玉川大学大学院農学研究科応用動物昆虫科学領域研究分野
-
佐々木 正己
玉川大学大学院農学研究科応用動物昆虫科学領域研究分野
-
宮本 雅章
群馬県農技セ
-
佐々木 正己
玉川大学大学院農学研究科応用動物昆虫科学領域研究分野:玉川大学学術研究所ミツバチ科学研究施設
-
佐々木 正己
玉川大
-
久保 良平
玉川大学大学院農学研究科応用動物昆虫科学研究分野
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