實驗的急性腹膜炎ニ於ケル二,三心筋成分ノ變化ニ就テ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一般急性化膿性疾患トハ異リ,急性汎發性腹膜炎ニ特有ニ認メラルル所ノ急激ナル循環障碍即チ血壓下降ガ,心臟筋組織ノ器質的異常又ハ變性ニヨル心臟ノ機能障碍ニ基因スルモノナルヤ否ヤヲ覘窺セントシテ,余ハ犬ノ腸壁ヲ穿孔シテ特殊ナル小硝子管ヲ装置シ實驗的ニ急性腹膜炎ヲ惹起セシメ,其心筋ニ於ケル水,粗脂肪,糖原質並ニくれあちん髓ヲ定量シ,之ヲ正常犬及ビ饑餓犬ノ其等ト對比考察ヲ試ミタリ.1)正常犬心筋ノ各成分ノ平均値ハ次ノ如シ:水(13例)77.9%粗脂肪(11例){生質中3.72%乾質中16.46%糖原質(9例)0.359%遊離くれあちにん總くれあちんくれあちん}(8例)0.0473%0.2620%0.2146%2)余ノ實驗的腹膜炎犬ハ2-4日ニシテ死亡スルヲ常トセルヲ以テ,饑餓日數ヲ3及ビ5日トセル2群ニ就テ各成分ヲ檢量シタルニ何レニテモ水,粗脂肪,糖原質ハ輕度ノ減少ヲ來シ,くれあちん體ノミハ稍々増加スル傾向ヲ認ム.3)腹膜炎時ニテハ水2.5%,乾質中粗脂肪31%,糖原質21%,遊離くれあちにん24%,總くれあちん16%,くれあちん13%ノ夫々減少ヲ見タリ.以上ノ如キ諸種心筋成分ノ輕度ナル減少ハ,急性腹膜炎ニ因ル心筋組織ノ器質的異常又ハ高度ナル變性ヲ示セルニハ非ズシテ,心臟機能ノ増進ヲ意味スルニ過ギザルベシ.又急性腹膜炎患者ガ循環障碍ノ除去サルルト共ニ全ク健康ニ復シ,心臟ノ機能不全ヲ後遺セザルガ如キ事實ハ此間ノ消息ヲ證左セルモノナルベシ.斯ルガ故ニ,急性汎發性腹膜炎ニ於ケル急激ナル血壓下降ハ心臟其物ヨリ以外ニ其因ヲ求メラル可キモノナリトス.
- 京都府立医科大学の論文
著者
関連論文
- 所謂胎生的腎臟混合腫瘍ノ一例
- 膿胸ノ統計的觀察
- 諸種異種屬全血,血球並ニ血清ノ靜脈内注入ニ關スル實驗的研究
- 諸種異種屬全血,血球並ニ血清ノ靜脈内注入ニ關スル實驗的研究(學位論文審査要旨)
- 家兎ニ於ケル同種正常血球凝集反應ニ就テ
- へぱりんヲ以テセル腹膜癒着防止ニ就テ : 其一 實驗的研究
- 家兎ニ於ケル正常同種血球凝集反應ニ就テ(本學第124回學術集談會)
- 主ナル外科疾患ト血液型,特ニ血液型ヨリ觀タル癌發生素因ニ就テ
- 實驗的急性腹膜炎ニ於ケル二,三心筋成分ノ變化ニ就テ
- ぶろぢー氏骨膿瘍ニ就テ
- 京都地方住民ノ血液型
- 排膿装置