20世紀初頭米国クリーブランド公立学校における問題行動から学業不振・精神薄弱への分化過程
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概要
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20世紀初頭、公立学校が確立する過程で行動や心身において逸脱した生徒への対応が学業不振や精神薄弱へと分化していく過程について、アメリカ合衆国クリーブランド教育委員会の意図と政策に基づいて検討した。最初の対応策として非行児の特殊学校を創設することによって、教育委員会は、就学義務の実効化、非行生徒の社会的脅威の防止、アメリカ社会への同化を意図した。1910年代初めになると、非行の原因として精神薄弱が着目されるとともに、知能検査によって学業不振の原因として精神薄弱が同定された。こうして、非行と学業不振は、知能検査の導入により精神薄弱において交差することになった。しかしこの知見は、教育的ニーズに対応した教育的措置には必ずしも結びつかなかったが、この背景には、学齢者の急増による教育環境の悪化等もあった。
- 障害科学学会の論文
- 2008-03-25
著者
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