タイ北部Mae Chaem地方における落葉フタバガキ林と落葉樹混交林の植生と土壌の特性
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概要
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タイ北部チェンマイ郊外に位置するMae Chaem地方において,落葉フタバガキ林(Dry dipterocarp forest,以後DDFとする)と落葉樹混交林(Mixed deciduous forest,以後MDFとする)の特徴を顕著に表す林の植生と土壌の断面形態および化学的性質について調査を行った。DDFでは30科56種,MDFでは28科77種が確認された。DDFにおいて,フタバガキ科3種の胸高断面積が全体の75%を占めていた。一方,MDFにおいてはDDFに確認されなかったタケ類の根元断面積がヘクタールあたり26m^2を占めていた。マメ科の胸高断面積が全体の41%を,クマツヅラ科が18%を占めていた。DDFではヘクタール当たりの立木本数はMDFを上回っていたが,胸高断面積はMDFの値とほぼ同じであった。DDFは極端に偏った植生で構成されており,極めて単純な林であった。一方,MDFはDDFに比べて出現樹種数が多く,より複雑な林であった。土壌養分含有量は土壌断面上部に顕著な差がみられ,MDFに比べDDFにおいて少なかった。DDFでは,調査地の上,中,下部という位置による土壌化学性の相違は認められなかったが,MDFではpH,可給態リン酸,全炭素,全窒素,置換性Caにおいて斜面下部で含有量が多く,有意な差が認められた。
- 森林立地学会の論文
- 2001-12-25
著者
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