メディア・リテラシーを育てる『現代大衆文化』 : 参加者の多様性・多文化理解を促す日本語授業実践
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概要
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本研究は、桜美林大学において留学生対象の選択科目として開講されている『中級・現代大衆文化』および『上級・現代大衆文化』(以下、『現代大衆文化』とする)の授業実践について報告することで、授業実践上の問題点や課題とともに、大衆文化を効果的に授業に取り入れるための理論的枠組みの検討に結びつけることを目的とする。この授業では、授業参加者のラポール形成を重視しつつ、中級・上級両レベルとも、1)文化を可変的なものとして捉える、2)学習者の興味に柔軟に対応する、3)物事を批判的かつ多角的に考察し、メディア・リテラシーを育てる、さらに4)参加者が相互リソースとなり学び合う、5)教師はファシリテーターとしての役割を担う、6)アウトプット型の授業を行う、の6点を基本概念として実践を行った。その結果、中級・上級それぞれの実践を通して、教室内での学習が社会との接点に繋がるなど自律的かつ発展的な学びがなされていることが明らかとなった。一方で、それぞれのレベルで学習活動をどのように盛り込み、レベル間の連携をどのように行うかが、今後も実践を重ねつつ検討していくべき課題であると認識された。
著者
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守谷 智美
お茶の水女子大学大学院国際日本学専攻
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守谷 智美
お茶の水女子大学教育研究特設センター
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石塚 美枝
桜美林大学日本言語文化学院
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宮副 ウォン
桜美林大学大学院
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ウォン 宮副
香港理工大学英文学系
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